Nexo Card(ネクソカード)は、スイス拠点のNexo AGが提供する仮想通貨担保型Mastercardである。従来の仮想通貨カードが決済時に仮想通貨を売却するのに対し、Nexo Cardは保有する仮想通貨を担保にして法定通貨を借入し、その借入金で決済を行う仕組み。これにより仮想通貨を売却せずに日常決済が可能で、将来の価格上昇の恩恵を受け続けられる。最大2%のキャッシュバック、月額・年会費無料。2026年3月時点で40カ国以上で利用可能。
「ビットコインを売りたくない。でも使いたい。」
その矛盾を解決するのが、Nexo Cardです。
仮想通貨カードの多くは、決済時に仮想通貨を売却して法定通貨に変換します。つまり、使えば使うほどビットコインが減っていく。「将来もっと値上がりするかもしれないのに...」と思いながら使うのは、なんとも複雑な気分です。
Nexo Cardはまったく異なるアプローチを取ります。仮想通貨を売るのではなく、担保にして法定通貨を借入し、その借入金で決済。つまり、BTCやETHを手放すことなく、日常的にカード決済ができるのです。
この記事では、この革新的な「売らずに使える」カードの仕組み・メリット・リスクを包み隠さず解説します。
目次
Nexo Cardとは?|基本情報まとめ
Nexo Cardは、仮想通貨レンディング(融資)プラットフォームNexoが発行するMastercardデビットカードです。世界初の「仮想通貨を売らずに使える」カードとして注目を集めています。
Nexo Card 基本スペック
| 発行手数料 | 無料 |
|---|---|
| 年会費 | 無料 |
| 月額費用 | 無料 |
| カードブランド | Mastercard |
| キャッシュバック | 最大2% |
| 決済方式 | 担保借入型(仮想通貨売却不要) |
| 借入金利 | 年利0%〜13.9%(ロイヤリティレベル依存) |
| 担保対応通貨 | BTC, ETH, NEXO, USDT, USDC 他40種類以上 |
| 利用地域 | 40カ国以上 |
「売らずに使える」仕組みを詳しく解説
従来のカード vs Nexo Card
従来の仮想通貨カード(RedotPay、Bybit Card等)
- カードで決済
- 保有するBTCが自動的に売却される
- 売却金で決済が完了
- BTCは手元からなくなる
Nexo Card
- カードで決済
- 保有するBTCが「担保」として設定される
- 担保に対して法定通貨が自動的に借入される
- 借入金で決済が完了
- BTCは手元に残ったまま
具体例で理解する
あなたが1 BTC(=1,500万円)を保有していて、10万円の買い物をする場合:
- 従来のカード:0.0067 BTCが売却される → 残り0.9933 BTC
- Nexo Card:1 BTCはそのまま → 10万円の借入金が発生
もし翌月BTCが2,000万円に上昇した場合、従来のカードだと売却した分の利益を逃しますが、Nexo Cardなら値上がり益をまるごと享受できます。
借入金の返済方法
Nexo Cardで発生した借入金は、以下の方法で返済できます。
- 法定通貨(銀行振込)で返済
- 仮想通貨で返済(自動変換)
- Nexoの利息収入で自動返済
- 一括返済・分割返済どちらもOK
返済期限はなし。毎月の最低返済額も設定されていないため、自分のペースで返済できます。ただし、借入期間中は金利が発生するため、長期間放置するとコストが膨らむ点に注意が必要です。
Nexo Cardの5つのメリット
1. 仮想通貨を売らずに決済できる
最大のメリットはこれ。BTCやETHの長期保有を維持しながら、日常決済が可能。「ホドラー(長期保有者)」にとって夢のようなカードです。
特にBTCの半減期後や強気相場で「売りたくないけど現金が必要」という状況で威力を発揮します。
2. 課税タイミングを先延ばしにできる
日本の税制では、仮想通貨を売却した時点で課税が発生します。Nexo Cardでは仮想通貨を売却しないため、課税タイミングが発生しない可能性があります。
※ ただし、借入に関する税務処理は複雑なため、税理士に相談することを強くおすすめします。詳しくは仮想通貨カードの税金ガイドをご確認ください。
3. 月額・年会費が完全無料
発行手数料、月額費用、年会費がすべて0円。維持コストが一切かからないため、サブカードとしても気軽に持てます。
4. 最大2%キャッシュバック
全決済に対して最大2%のキャッシュバック。キャッシュバックはNEXOトークンまたはBTCで受け取れます。
- Base(基本): 0.5%
- Silver: 1%
- Gold: 1.5%
- Platinum: 2%
5. Platinumなら借入金利0%
ポートフォリオの10%以上をNEXOトークンで保有するPlatinumレベルなら、借入金利が0%。つまり、仮想通貨を売らずに無利息で決済できるという驚異的な仕組みです。
Nexo Cardの4つのデメリット・リスク
1. 清算リスクがある
担保にした仮想通貨の価格が大幅に下落すると、LTV(担保率)がしきい値を超え、担保が強制清算される可能性があります。
例:BTCを担保に$5,000借入 → BTC価格が50%下落 → LTVが100%に近づき清算警告 → 追加担保なければ自動清算
対策:LTVを低めに維持(推奨25%以下)し、価格下落に備えて十分な担保余裕を持ちましょう。Nexoアプリで清算警告の通知設定も忘れずに。
2. 借入金利が発生する
Platinum以外のレベルでは年利6.9%〜13.9%の借入金利がかかります。長期間返済しないとコストが膨らみ、仮想通貨を売却したほうが安くなるケースもあります。
対策:NEXOトークンを保有してロイヤリティレベルを上げるか、借入金はこまめに返済しましょう。
3. 日本での利用が制限的
2026年3月時点で、Nexo Cardは欧州を中心とした展開であり、日本在住者への発行には制限があります。Nexoアカウント自体は作成可能ですが、カードの日本配送に対応していない場合があります。
対策:日本国内で確実に使いたい場合はRedotPayやbitFlyer VISAがおすすめです。
4. NEXOトークンの集中リスク
低金利・高キャッシュバックを得るにはNEXOトークンの保有が必要。ポートフォリオがNEXOに偏るリスクがあります。NEXOトークン自体の価格変動も考慮する必要があります。
ロイヤリティプログラムの詳細
Nexo Cardの特典はロイヤリティレベルによって変わります。レベルはポートフォリオ中のNEXOトークン比率で決まります。
| レベル | NEXO比率 | 借入金利 | キャッシュバック |
|---|---|---|---|
| Base | 0% | 13.9% | 0.5% |
| Silver | 1%以上 | 8.9% | 1% |
| Gold | 5%以上 | 6.9% | 1.5% |
| Platinum | 10%以上 | 0% | 2% |
重要ポイント
Platinumレベル(借入金利0%)を達成するには、ポートフォリオの10%をNEXOで保有する必要があります。例えば$100,000のポートフォリオなら$10,000分のNEXOが必要です。NEXOの価格変動により、ロイヤリティレベルが変動する可能性があるため注意してください。
Nexo Cardの使い方ガイド
ステップ1:Nexoアカウント作成(3分)
- Nexo公式サイトまたはアプリにアクセス
- メールアドレスとパスワードで登録
- メール認証を完了
ステップ2:KYC(本人確認)(5分)
- Advanced Verification(上級認証)を完了
- 身分証明書と自撮り写真をアップロード
- 住所証明書を提出(場合により)
ステップ3:仮想通貨を入金
- Nexoウォレットに仮想通貨を送金
- BTCやETHなど担保にしたい通貨を入金
- 借入可能額が自動的に計算される
ステップ4:Nexo Cardを発行
- アプリの「カード」セクションで申請
- バーチャルカードが即時発行
- 物理カードは1〜2週間で配送
ステップ5:決済開始
カード決済するたびに、担保に対して自動的に借入が行われ、決済が完了します。仮想通貨は売却されず、担保として保持されたままです。
賢い使い方Tips
- LTVは25%以下に維持して清算リスクを最小化
- NEXOトークンを10%以上保有してPlatinum(金利0%)を目指す
- 短期の出費(旅行・大きな買い物)に利用し、帰宅後に返済
- Nexoの利息収入で借入金を自動返済する設定がおすすめ
Nexo Card vs 他社カード|徹底比較
| 項目 | Nexo Card | RedotPay | Bybit Card |
|---|---|---|---|
| 決済方式 | 担保借入型 | 売却型 | 売却型 |
| 仮想通貨を保持 | 保持できる | 売却される | 売却される |
| 年会費 | 無料 | 無料 | 無料 |
| キャッシュバック | 最大2% | 最大2% | 最大10% |
| 借入コスト | 0〜13.9% | なし | なし |
| 日本利用 | 制限あり | ○ | ○ |
用途別おすすめ
- BTC/ETHを売りたくない → Nexo Card(担保借入型)
- 国内決済メイン → RedotPay(手数料0%)
- 高還元率重視 → Bybit Card(最大10%)
- サブスク特典 → Crypto.com(Netflix/Spotify無料)
より詳しい比較は仮想通貨カード徹底比較ページや手数料比較ページをご参照ください。
よくある質問
Nexo Cardで仮想通貨を売らずに使えるとはどういうことですか?
Nexo Cardは従来の仮想通貨カードとは異なり、決済時に仮想通貨を売却しません。代わりに、保有する仮想通貨を担保にして法定通貨を借入し、その借入金で決済が行われます。仮想通貨はNexoの口座に残ったままなので、価格上昇の恩恵を受け続けることができます。
Nexo Cardの借入金利はどのくらいですか?
Nexo Cardの借入金利はロイヤリティレベルによって異なり、年利0%〜13.9%です。NEXOトークンの保有比率が高いほどロイヤリティレベルが上がり、金利が下がります。Platinumレベル(ポートフォリオの10%以上をNEXOで保有)なら年利0%で借入できます。
Nexo Cardの担保率(LTV)はどのくらいですか?
Nexo Cardの担保率(Loan-to-Value)は通常、担保資産の50%〜90%まで借入可能です。例えばBTCを$10,000分担保に入れた場合、最大$5,000〜$9,000を借入して決済に利用できます。LTVが高いほど清算リスクも高まるため、安全マージンを持って利用することをおすすめします。
Nexo Cardは日本で使えますか?
2026年3月時点で、Nexo Cardの日本在住者への提供は制限があります。Nexo自体は日本からのアカウント作成が可能ですが、カードの発行対象地域は欧州を中心としており、日本国内への直接配送には対応していない場合があります。最新の対応状況はNexo公式サイトでご確認ください。
担保にした仮想通貨が下落したらどうなりますか?
担保価値がLTV(担保率)のしきい値を下回ると、Nexoから警告通知が届きます。追加担保を入金するか、借入金の一部を返済することで清算を回避できます。対応しない場合、担保の一部が自動的に売却(清算)されて借入金の返済に充てられます。
結論:Nexo Cardはこんな人におすすめ
Nexo Cardがおすすめな人
- BTC・ETHを長期保有しつつ日常決済もしたい人
- 仮想通貨の売却による課税を避けたい人
- NEXOトークンを保有してPlatinum(金利0%)を目指せる人
- DeFiレンディングに慣れている中上級者
- 短期的な出費を借入でカバーしたい人
Nexo Cardが向いていない人
- 清算リスクを理解・管理できない初心者(→ bitFlyer VISAがおすすめ)
- 日本在住で確実に使えるカードが必要な人(→ RedotPayがおすすめ)
- 借入金利を払いたくない人(Platinum以外は金利あり)
- シンプルな「チャージして使う」カードが好みの人